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会社の経営でお悩みの方会社の経営Q&A

Q.会社を設立したいと考えています。株式会社以外にも複数の種類の会社があると聞きました。どのような種類の会社にすればよいですか

会社の種類

 まず、会社には、株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の4つの種類の会社があります。
株式会社とは、株式を発行してその所有者を株主とし、議決権を有する株主に会社を支配させ、株主が選任した取締役に業務執行を任せる仕組みの会社です。
合名会社・合資会社・合同会社の3つは持分会社と呼ばれます。持分会社とは、株式を発行せず、社員が出資し、原則として出資したその社員が会社の業務執行を行う会社です。

各会社の社員(出資をした人)について

 株式会社の株主は、出資に応じて株式を取得しますが、会社や債権者に対し、その出資の限度でしか責任を負いません。株式会社は、経営に携わりませんが、会社の利益分配は受けたいという投資家の需要に対応しているのです。
持分会社のうち、合同会社は株式会社と同じく、出資者である社員は全て出資の額を上限とする有限責任です。これに対し、合名会社は無限責任社員だけからなり、合資会社は無限責任社員と有限責任社員の双方からなります。社員は、有限責任社員、無限責任社員にかかわらず法人でもなることができます。

各会社の設立のために必要な社員と費用

 合名会社は社員1名で設立でき、その1名の社員が欠けたときは解散になります。
合資会社は、無弁責任社員と有限責任社員が必要なので設立には最低2名の社員が必要です。仮にいずれかの社員が退社した場合には、無限責任社員が退社したときは合同会社に、有限責任社員が退社したときは合名会社になる、との定款変更があったとみなされるので解散にはなりません。
持分会社の組織は柔軟であり、決算を公告する必要もなく、株式会社に比べて運営が簡易です。合同会社は、特別な場合を除き、個人事業主に近い零細な規模であることが一見して明らかですが、それを気にしなければ、株式会社と比べて設立費用が低廉であることが、起業の際のメリットといえるでしょう。
一方で合名会社と合資会社は無限責任社員が必要ですから、その無限責任社員のリスクが大きいので、起業には不向きでしょう。ただし、起業した後、登記費用は必要になりますが、持分会社から株式会社に組織変更することができますし、その逆も可能です。

Q.会社を設立したいと考えています。具体的にどのような手続を行う必要があるのでしょうか。

持分会社の場合

持分会社を設立するためには、社員になる者が定款を作成し、全員で署名又は記名押印しなければなりません。株式会社の場合と異なり、持分会社は公証人による定款の認証が不要です。定款に記載する最低限の事項は以下のとおりです。

 合名会社及び合資会社の社員は、設立の登記のときまでに出資の履行を完了している必要はありません。また、資本金額は登記事項とされていません。これに対し、合同会社は有限責任社員しかいませんので、債権者保護の観点から、出資履行の完了と資本金額の登記が必要とされています。

株式会社の場合

 株式会社の設立の方法には発起設立と募集設立があります。
会社の設立には発起人が必要です。発起人とは、会社の設立を決意し、定款に「発起人」として署名(記名押印・電子署名)した人のことです。会社設立の事務処理の責任者として設立に関して一定の業務を執行し法的責任を負います。発起人は会社が成立するとその役割を終え、株主となります。
発起設立の場合には、発起人が1人だけで設立でき、設立の際の規制が少ないので、起業する際の多くの場合、発起設立の方法が適しています。
募集設立の場合には、発起人の他に設立時の発行株式の引受人を募集しなければなりません。手続きが煩雑になるため、募集設立の例は多くはありませんが、①最初から外部の出資を受け入れて、出資者に発起人としての責任を負わせないようにする場合や、②出資者が国外に居住しているなど、原始定款(会社設立の際の最初の定款のこと)に発起人として署名・記名押印(印鑑証明書を添付)することができない場合など、募集設立しか選択できない場合もあります。

発起設立における発起人のスケジュール

株式会社を発起設立で設立する場合の、発起人の具体的な行動順序は以下のとおりです。
①1人又は複数の発起人が会社の設立を決意する。
②定款記載事項を定める。
目的・商号・本店の所在地など。
③代表者印の準備をする。
商号を決めた時点で、代表取締役の実印を準備しておきましょう。登記申請の際に必要になります。
④定款の認証を受ける。
公証役場で公証人から定款の認証を受けないといけません(電子認証も可能です)。最初の定款(原始定款)だけは認証を受けなければ効力が生じません。
⑤設立時発行株式に関する事項を決定する。
発起人に割当てる設立時発行株式の数や、その際に払い込む金額、設立後の会社の資本金、資本準備金の額を定める。
⑥出資金払込口座を開設し、出資金を払い込む。
設立中の会社のために開設した口座だと分かるように「○○株式会社発起人△△」などの名義にするとよいでしょう。
⑦最初の取締役等を選任する。
⑧設立時取締役は、選任後すぐに、設立手続きが法令・定款に違反していないことを調査する。
⑨設立登記申請
本所在地を管轄する登記所に設立登記を申請する。
⑩設立登記の完了により会社が成立。
会社の名前で契約の締結などの法律行為ができるようになります。

募集設立における発起人のスケジュール

株式会社を募集設立で設立する場合の、発起人の具体的な行動順序は以下のとおりです。
①1人又は複数の発起人が会社の設立を決意する。
②定款記載事項を定める。
③公証役場で定款の認証を受ける。
④定款に記載のない場合は、設立の際に発行する株式の種類・数・その割当てに関する事項を定める。
⑤株式引受人を募集し、1株以上を引き受けてもらう。
⑥発起人が引き受けた株式(1株以上引き受ける義務を負います)に該当する出資金を設立中の会社が指定する金融機関に払い込む。
⑦創立総会を開催する。創立総会では、発起人が会社の設立に関する事項を報告したり、設立時取締役等を選任したりする。
⑧設立時取締役は、選任後速やかに、設立手続が法令・定款に違反していないことを調査する。
⑨設立登記申請。
⑩設立登記の完了により会社が成立。

Q.会社を設立するためには、定款を作成しなければならないと聞きました。定款とは何ですか。また、どのように作ればよいのでしょうか。

定款とは、会社組織の基本的事項を定めた自治規定のことです。会社が活動をするためには定款が必要不可欠です。会社の内容は設立のときから定款を中心に決まり、様々な利害関係人が生じる会社にとって、定款に従った会社運営が信頼の基礎となります。取締役は、法令に加えて定款も順守しなければなりません。
定款の内容には絶対的記載事項、相対的記載事項、任意的記載事項があります。定款を変更するためには株主総会の特別決議が必要です。

定款記載事項

 定款には、絶対的記載事項(必ず記載しなければならない事項)、相対的記載事項(記載がなければその効力が認められない事項)、任意的記載事項(定款で定める必要はないが、任意に定款に記載することができる事項)があります。

絶対的記載事項

 絶対的記載事項は以下のとおりです。
①目的
②商号
③本店の所在地
④設立に際して出資すべき額又はその下限額(制限はありません)
⑤発起人の氏名・名称・住所

相対的記載事項

 相対的記載事項は以下のとおりです。
①設立に際して発行する株式の種類・数・その割当に関する事項
②会社が発行する株式の総数
③発起設立の場合の設立時の取締役等
④変態設立事項
⑤株式の内容に関する事項
⑥株券の発行
⑦取締役会を設置しない株式譲渡制限会社における総会の招集機関のさらなる短縮

任意的記載事項

 任意的記載事項は次のとおりです。
①事業年度・決算期
②役付取締役の名称・役割(社長・専務取締役等)
③議決権の代理行使を株主に限定すること

定款の配列

 定款の記載の配列に決まりはありませんが、日本公証人連合会が次のURLにて定款規制例を公表しているので参考になります(http://www.koshonin.gr.jp/index2.html)。

Q.新しく設立する会社の名前を考えています。会社名を付ける際にはどのようなことに注意すればよいのでしょうか。

会社の名称とは

 会社には「商号」という名称を付ける必要があります。名称は定款に記載され、登記されます。
また株式会社を設立するのであれば、「株式会社」の文字を商号中に使用しなければいけません。

同一・商号登記の規制

 同一の住所に同一の商号がないか商号調査を行う必要があります。近隣に、又は有名な会社に、同一又は類似の商号がないように注意しましょう。
会社法施行前は「他人が登記した商号は、同一市町村内において同一の営業のために登記することができない」とされていましたが、施行後は、これを「同一の住所に同一の商号の会社の登記は認めない」と区別のための最低限の規制に留めました。ですから、同一の本店所在地に同一の商号の会社がないかを登記所で調査をしておく必要があります。
本店の住所は、ビル名や部屋番号までは必要としないので、同じビルの中にたまたま同一商号の会社があることはあり得ることです。

商法と不正競争防止法

 同一の住所に同一の商号の会社さえなければ、どんな名称でもつけることができるというわけではありません。
不正競争の目的をもって同一又は類似の商号を使用することの禁止規定があります。
さらに、「不正競争の目的」がなくても、特別法で制限が設けられています。
不正競争防止法という法律は、「他人の商品等表示(商号を含む)として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商人等表示を使用する等して、他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為」(周知商品等表示に係る不正競争)や「自己の商品等表示として他人の著名な商品等表示と同一若しくは類似のものを使用等する行為」(著名商品等表示に係る不正競争)を「不正競争」と位置づけ、これを行った者に対して差し止めや損害賠償請求権を認めています。

会社の名前は、これらの規制に反しないように慎重に決めるようにしましょう。

Q.会社の資本金額はどのように決めればよいのでしょうか。

資本金を決める

 株式会社には資本金が必要です。資本金は、会社の設立に際してなされる出資の額とその後の新株発行によって資本金に組み入れられる額などによって構成されます。会社設立の際は、定款で「株式会社の設立に際して出資すべき額又はその下限額」を定めなければいけませんが、下限額に制限を設けていません。
ただ、最低資本金の制限がないとしても、資本金自体がなくなるわけではありませんので、設立の際に出資者による払込が必要とされている以上、通貨の最低単位である1円は最低限資本金として存在するのが原則です。これは、つまり、株式会社は資本金1円でも設立することができることを意味しています。また、設立費用が設立時の払込金の額を超える場合には、資本金0円での設立も認められます。

資本金の重要性

 資本金は会社の信用力を見る重要な指標です。資本金は会社が事業を行うための資金ですから、資本金が少ないと、「この会社は一体どこから資金を得ているのか?」「債権者として会社に弁済能力があるか不安」ということになってしまいます。
資本金は登記事項であり、会社の登記事項証明書(登記簿謄本・抄本)を取得すれば、ただちに判明します。資本金がいくらでもよくなった以上、逆にある程度の資本金(例えば、従前の有限会社の最低資本金300万程度)で株式会社を設立しないと、信用を得ることは難しいでしょう。
また、簡単に株式会社が設立できるということは、株式会社であるだけでは信頼性を得られないということです。取引先の債権者からすれば、資本金の額は、どれだけ本気で会社を経営しようとしているかという本気度を測る基準になりますので、あまりにも少ない資本金の会社を安易に設立しても、社会的・経済的な信頼を得られません。
安易に低額の資本金で株式会社を設立することが、会社にとって悪影響をもたらすかもしれないことに注意して下さい。

Q.現金以外のものでも、出資ができると聞きました。どのようなことに注意すればよいのでしょうか。

 株式会社の設立において、現金以外のもので出資をすることができます。これを、現物出資といい、不動産や知的財産などの金銭以外の財産を出資することです。 会社の設立時に、現物出資として目的財産を過大に評価することを避けるために、変態設立事項として定款に記載し、一定の場合は検査役の調査を受けなければならないという規制があります。(弁護士等の証明がある場合等を除く)ただし、目的財産の価格(現物出資・財産引受の総額)が500万円を超えないときは検査役の調査は必要ありません。
また、財産引受といって、発起人が会社のために、会社の成立を条件として第三者から特定の財産を譲り受ける旨の契約を結ぶこともできます。

Q.新しく会社を設立して事業を始めようと思います。どのような法律を知っておく必要がありますか?

起業すること自体に様々な法令が関係するだけでなく、起業した後に会社の体制を整えるためにも、最低限の法律の知識をもっておく必要があります。たとえば、以下のような法律は最低限知っておくべきでしょう。
(1)民法
社会の中で生活する上では民法の知識は不可欠です。売買や賃貸などあらゆる企業の活動場面において必要となりますので、民法は知っておくべきでしょう。
(2)会社法
会社の設立、運営等に関する事項は会社法が規定します。株主総会の運営等会社法に規定された手続を行わないと会社の行った行為自体が無効になることもあります。
(3)労働法
社員を雇用する場合には、労働法の知識が必要になります。労働法とは、労働に関する法律の総称です。労働契約法、労働基準法、労働安全衛生法等々、労働に関する法律は数多く存在しています。
(4)税法に関する知識
税法は、税金について規定されています。起業する上で、税法の概念は押さえておくべきです。
(5)中小企業基本法
起業の段階から大会社、という企業は大会社の子会社設立等の事情がない限りないといってよいでしょう。起業すると、最初は皆、中小企業です。中小企業は大企業と異なり、国による支援が受けられるケースが多くなっており、その基本的な内容についての法律です。
(6)その他
このほかにも、起業した業務形態によっては、不当景品表示防止法、訪問販売法、特定商取引法、独占禁止法、個人情報保護法など、多くの法律の知識が必要になります。

会社を設立されようとお考えの方は、是非弁護士にご相談下さい。

Q.「コンプライアンス」とは何ですか?

 コンプライアンスとは、法令の遵守を意味します。
会社が経済活動を行うためには、会社法、個人情報保護法をはじめした多様な法令を遵守しなければならないのは当然です。
昨今、会社の不祥事に対して社会の目が厳しくなってきています。1人の社員の不祥事であっても、会社の信用が失われ、その存続が危うくなるということは、ままあります。
会社全体としてはもちろんのこと、社員の不祥事を未然に防ぐためにもコンプライアンスに取り組んでいく必要があるのです。
法令は、頻繁に改正されています。また、会社の業態等によって遵守すべき法令は異なります。
会社のコンプライアンス体制を見直そうと考えておられる経営者の方は是非、弁護士にご相談下さい。

Q.「コンプライアンス」に取り組むとは具体的に何をすればよいのでしょうか?

 昨今、一職員の不祥事にとどまらず会社ぐるみの不祥事が多く起こり、コンプライアンスの必要性が重視されています。
コンプライアンスとは法令遵守を意味しますが、法令に従った行動をすることは当然であって、法令に止まらず、社会規範に則って企業が対応し、その目的を実現していくことが重要です。
以下、具体的な場面毎に見ていきます。
(1)労務管理
労務管理が必要になる場面は多岐にわたりますが、現在の企業における多様化した人材の在り方を踏まえると、過去の裁判例だけでなく、最近の動向や海外の現状なども参考にしながら、各企業の状況に応じた、最適な労務管理を遂行していくことが求められます。
(2)不当要求の排除
反社会的勢力や悪質クレーマーなど、企業に対する不当要求は後を絶ちません。昨今はインターネットを介して、思わぬところで企業の信用が毀損されるような事態も増えています。
不当要求に対して、早期解決を急ぐあまり、安易に要求にこたえると、様々な反社会的勢力や悪質クレーマーから目をつけられたり、つけこまれてしまうおそれがあります。不当要求に対しては断固たる姿勢で対応することも、コンプライアンスの実現に大切な要素です。
不当要求への対応は、個人に任せるのではなく、組織としての統一的な対応方針に基づいて、その方針が生かせるシステムと人材の訓練を行うことが重要です。
(3)日常業務
コンプライアンスは、日常の契約や債権管理、株主総会運営、事業再生、マスコミ対応など、組織運営にあたって様々な場面で問題になります。
企業のコンプライアンスを実現するためには、専門家である弁護士のサポートを受けることが有効です。労務管理、不当要求の排除、適切な債権管理や株主総会の運営等々、弁護士は、過去の実務と今後の見通しを踏まえて、適切なアドバイスを提供することが可能です。

Q.会社には就業規則が必要だと聞いたのですが、必ず必要なのですか?

 就業規則とは、使用者が、労働者の労働条件の画一化、明確化のため、労働者が守るべき服務規律、職場規律を含む労働条件の詳細について定めたもので、企業の規模によっては、作成が義務付けられています。
常時10人以上の労働者を使用する事業者は、時として労働者の数が10人未満になることがあっても、事業主は必ず就業規則を作成しなければなりません。この「労働者」には、正規社員のほか、パートタイマーやアルバイト等全ての者を含みます。
他方で、事業場の労働者数が常態として10人未満の場合は、法律上は就業規則を作成しなくてもよいとされています。しかし、就業規則は、事業主と労働者との間の紛争を未然に防ぐ効果があるので、作成しておくことが望ましいです。

Q.会社の就業規則を作ろうと思います。何を記載すればよいのでしょうか?

 就業規則に必ず記載しなければならない事項として、労働時間や賃金、退職に関する規定などがあります。
就業規則は、労働条件や服務規律の統一的かつ公平な決定のために重要な機能を有するため、使用者が何でも好きに定めてよいというものではありません。法令又はその事業場で適用される労働協約に反してはならず、労働基準監督署は、これに違反する就業規則の変更を命じることができますし、就業規則が法令又は労働協約に違反した場合、その部分は無効となります。
具体的には、以下の事項等を記載しなければなりません(労働基準法89条参照)。
①始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては、就業時転換に関する事項
②賃金(臨時の賃金等を除く。以下この項において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切及び支払の時期並びに昇給に関する事項
③退職に関する事項(解雇の事由を含む)
④退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
⑤臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
⑥労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項
⑦安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
⑧職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
⑨災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
⑩表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項
⑪以上のほか、当該事業場の労働者の全てに適用される定めをする場合においては、これに関する事項

Q.会社で行っている事業で取引契約書を作成することになりました。どのような点に気を付けたらよいのでしょうか。

取引契約書は、企業が経済活動を行う際に生じるトラブルを未然に防止し、万一トラブルが生じた場合の早期解決に大きな役割を果たします。ここでは、取引契約書作成の際のポイントを解説します。

取引契約書に記載する内容は、法律に反しないことが必要です。契約の内容が公序良俗に反する場合や、不可能な内容の契約は、そもそも無効になるので注意しましょう。
また、民法、会社法といった、企業活動で頻繁に目にする基本法だけでなく、独占禁止法、著作権法など、各種の関連法令についても検討し、これら法令に沿ったものを作成する必要があります。
さらに、契約の基本的要件、つまり①契約の主体、②契約の客体、③契約の目的を、十分に検討することが大切です。

① 契約の主体
契約の主体となる当事者は、氏名、名称。住所によって特定されますが、契約の当事者が誰が明確となっている必要があります。特に、当該契約の主体が人(自然人)であるのか、会社(法人)であるのか、不明瞭なものを目にすることがありますので、この点が明らかになっているか十分に注意して下さい。
② 契約の客体
契約の客体となるものが明確になっている必要があります。
たとえば、物の引渡義務が契約の内容となっている場合、対象となる不動産、自動車、機械、債権等が特定されているか十分注意して下さい。
③ 契約の目的
契約の目的たる権利義務の内容が明確になっている必要があります。
「いつまでに、いくら支払うか」等の諸条件についても検討し、対価関係が明らかになっているかに注意する必要があります。

昨今、ホームページ上に上がっている契約書の書式テンプレートを使用するケースも見られますが、契約内容と一致しない契約書を作成すると、後々のトラブルにつながるおそれがあります。
取引契約書の作成でお悩みの際は、専門家である弁護士にご相談下さい。

Q.株主総会を開きたいと考えています。株主を招集するときに注意しなければならないことにはどのようなことがあるのでしょうか?

株主総会とは、株主を構成員として、定款の変更、取締役・監査役の選任、会社の解散・合併など、会社の基本的事項について株式会社の意思を決定する最高機関のことです。
株主総会は、株主の総意によって会社の意思を決定する株式会社の必要機関のことです。
株主総会は常設ではなく、定時又は臨時に招集されます。
株主総会を招集する場合、取締役はその日時、場所、目的事項などを定めて、総会の日の2週間前(招集通知の発送日と開催日の間に2週間をおく)までに、株主に招集通知を発送しなければなりません。
株主間において紛争が生じたときに、株主総会が適法な手続で招集されていないとして、株主総会取消の訴えが提起されることがあります。適法な招集手続をとったことを証明するためにも、招集手続をしたことを証拠として残しておくべきでしょう。

株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができるようにすることもできます(議決権行使書)。しかし、以下の制限があるので注意が必要です。
・株式譲渡制限会社においても、株主総会招集通知は総会の日の2週間前までに発送しなければならない。
・取締役会被設置会社でも、招集通知は書面による必要がある。
・株主全員の同意があっても、招集手続を経る必要がある。
・招集の通知に際して、株主に対して議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(株主総会参考書類)と株主が議決権を行為するための書面(議決権行使書面)を交付しなければならない。

Q.株主総会を開きたいと考えています。株主総会では一体何をすればよいのでしょうか?

株主総会は一般的には以下のとおり進めていきます。
(1)事前準備
①株主議決権行使書(株主1000人以上の会社が採用する議事への書面投票制度)の集計
②想定問答集の作成
③会場設営
(2)株主総会当日
①株主受付
②議長の開会宣言
※決議事項を諮って進行する株主総会の議長は、定款の定めにより代表取締役の1人が務めることが多いです。
③出席株主数と株式数の報告
④各種報告
⑤議案の上程
⑥議案についての質疑応答
⑦議案の採決
⑧閉会
⑨議事録の作成(終了後、議事録を作成し、議長、出席取締役が署名、捺印する)

株主総会では、一般株主からの質問に対して、取締役は丁寧に回答することが要請されており、ときには厳しい質問に対しても真摯に回答しなければなりません。
ただし、議題と関係ない質問や、企業秘密に関する質問のような質問に対しては、株主からの質問でも、回答拒否の姿勢が求められます。

なお、株主総会の議事録は閲覧することが予定されていますので、正確に作成しなければならないので注意して下さい(本店に10年間、謄本を支店に5年間、議決権行使の代理委任状を本店に3か月備え、株主と会社債権者の請求があれば、閲覧、謄写させなければならないことになっています)。
総会手続の運営、総会決議の内容に瑕疵を生じることを避けるために、事前に弁護士と打ち合わせを行い、必要に応じて株主総会に同席させることは有効です。
株主総会の運営に不安を感じられた方は是非ご相談下さい。

Q.取締役会は必ず設置しなければならないのでしょうか?

 取締役会がある株式会社を「取締役会設置会社」といいます。公開会社・監査役会設置会社・委員会設置会社は、取締役会の設置が義務付けられています。それ以外の株式会社は取締役会の設置は任意ですが、定款で定めれば取締役会を設置することができます。
取締役会を設置した場合、取締役3名以上のほか、監査役1名以上が必要になります。株式譲渡制限会社の場合は、監査役の代わりに会計参与でも構いません。
なお、取締役会は、取締役の中から、会社を代表し業務を執行する権限を有する代表取締役を選定しなければなりません。

Q.取締役会では何をすればよいのでしょうか?

 代表取締役そのほか、業務執行権をもつ取締役は3か月に1回以上、職務の執行の状況を報告しなければなりません。そのため、最低でも3か月に1回は取締役会を開催して、業務に関する報告を行うことになります。
また、取締役会は、これら報告に基づき、会社の業務執行の決定を行うことになります。
さらに、取締役会は、取締役の職務執行の監督や、代表取締役の選定と解職といった機能を有してもいます。

Q.取締役会を開くにはどうすればよいのでしょうか?

 取締役は原則として誰でも取締役会を招集できます。ただし、「取締役会を招集する取締役」を定款や取締役会で定めたときは、招集はその取締役がすることになります。一般的には「取締役会は社長が招集する」のように招集権者を定款で定めていることが多いようです。なお、招集権者ではない取締役は、招集権者に対して取締役会の開催を請求できます。
取締役会を招集する者は、取締役会の日の1週間前までに、各取締役に対して開催の通知を発しなければなりません。なお、この通知は書面でする必要はありません。
定款で1週間よりも短い期間を定めることができるので、「取締役会の招集通知は、会日の5日前までに各取締役に対して発する。ただし、緊急の必要があるときは、この期間を短縮することができる」のように期間を短縮して柔軟性をもたせるのが一般的のようです。
招集の手続きがなくても、取締役全員の同意があるときは取締役会を開催することができます。定例の取締役会は、年間のスケジュールを作成して各取締役に交付し、特に異議がなければ招集手続は有効に省略されたものと認められます。
なお、業務監査権を有する監査役がいる株式会社では、その監査役にも招集通知が必要ですから、招集手続きを省略するためにはその監査役の同意も必要です。
招集地の規制は特にありませんので、どこで開いても構いません。また、議論による決議ができる環境であれば、テレビ電話等による取締役会も有効です。

Q.取締役会の決議はどのように行うのでしょうか?

取締役会の決議

 取締役会の決議は、議決に加わることのできる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行います。また、特別の利害関係を有する取締役(解職決議の対象となった代表取締役や、利益相反取引の当事者になった取締役など)は、議決に加わることはできません。
取締役会の議事については、議事録を作成し、出席した取締役及び監査役は、これに署名又は記名押印しなければなりません。取締役会の決議に参加して議事録に異議をとどめない取締役は、その決議に賛成したものと推定されます。

書面決議

 取締役会は、議論を尽くした上で決議をするのが建前ですが、最近ではテレビ電話等による会議が認められるようになっています。
さらに一歩進んで、「書面決議」という、定款で定めておけば取締役会を開催することなく、決議があったものとみなす制度があります。取締役が決議事項について提案し、取締役全員が書面又は電子メールなどで同意の意思表示をすれば、その提案は可決されたとみなされるのです。ただし、業務監査権を有する監査役が提案に異議を述べた場合は書面決議によることはできません。この制度は上場会社でもよく利用されているようです。
また、取締役全員に取締役会に報告すべき事項を通知した場合は、取締役会で報告する必要がなくなりました。ただし、最低3か月に1回の業務執行取締役の報告は、取締役会においてしなければなりません。

Q.海外に支店を出したいのですが、どのようなことを考えればよいのでしょうか?

海外で事業展開する場合も、金銭トラブルや労使間の紛争、知的財産権の侵害等の諸問題が生じることがあります。海外でこれらの諸問題を解決するには、現地の商習慣や法制度、経済的、社会的背景の理解が不可欠です。

海外進出先の決定

海外に支店を出すにあたっては、進出先の地域、国、都市のターゲット選定が重要です。安定して成熟した欧米市場に進出するか、将来性の高い新興国、10億人市場の中国だけでなく、インド、東南アジア諸国などのネクストビリオンと呼ばれる地域に進出するか、各地域によって、法律は異なります。

現地法人の設立

海外支店として現地における法人を設立する際は、現地の主務官庁との間で法人設立の手続を経る必要があります。M&Aの手法で、海外進出を試みる場合も、事業承継にかかる手続事務が必要になります。また、現地法人の設立やM&Aに成功後は、実際に事業を展開するための現地の諸規制法や規則に基づく届出又は許認可が必要となる場合が大半です。
海外で事業展開する際の、法人の設立手続や、届出や許認可の手続については、現地国の法規制や産業によって大きく異なります。
そこで、英語や中国語をはじめとした諸外国語に精通した弁護士によるサポートは非常に有効です。事前に、現地の法規制についての調査を行い、また、現地法律事務所との提携することによって、依頼者の海外進出をプランニングから実際の諸手続きまで幅広く支援することができます。

事業の採算性の確保

海外進出の後に、事業の採算性、将来展望が見えないなどの問題に直面することがあります。その場合に、投下した資本をいかに回収するか、損失を最小限に食い止めるかが次の問題となります。そして、一度始めた海外ビジネスにおいて、スムーズに事業承継を行い、また現地法人を清算するに際して生じるは法的リスクをいかに最小限にするかということが問題になります。
また、海外ビジネスの成功が成功した場合、事業譲渡によって、利益を確定し、回収することもあるでしょう。この場合、税制上のコストの最小化、労務問題の整理、取引関係の終了と承継などが課題となります。

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